以下の歌(絶句・和歌・俳句を組み合わせた歌)は、平成十六年の砂子岳精会の初吟会で森川静修先生から教えて頂いたものです。
ここに往時を思い出しつつ詠わせて頂き、若干の解説を加えます。(有田信風)
淑気乾坤 萬物新なり
陽光燦々として 吾が身に注ぐ
(短歌)
今朝見れば 山もかすみて 久方の
天の原より 春は来にけり
暁天気爽やかに 鶏鳴朗らかなり
心境揚々として 此の春を迎ふ
(俳句)
春の海
春の海
ひねもすのたり のたりかな
ひねもすのたり のたりかな
【解説】絶句の承句と転句の間に、源頼朝の作である和歌を挟み、最後に与謝蕪村の俳句を加えています。
絶句の「淑気」とは「新春のめでたく和やかな雰囲気」のことです。「乾坤」とは「天と地」のことです。
和歌の「久方の」は「天の原」にかかる枕詞です。この和歌の意味は「今朝見ると山は霞がかかっていて、広々とした大空から春は来ている」ということです。人工物がない当時の風景はどんなものだったことでしょうか?
俳句の「ひねもす」は「終日」のことで「一日中」のことです。

